SPI REPORT

広告投資のROIを高める出稿時期戦略決定プロセス

「広告費の半分は無駄だということは分かっている。問題は、その半分がどちらなのかが分からないということだ。」

広告業界では有名な台詞ですが、実際のビジネスにおいてこの意味を実感している方も多いことでしょう。そこで今回は、そんな問題を解決すべくSPIが行った、広告のROI(費用対効果)最大化のための分析例を紹介させていただきます。

食品系ブランドXを抱えるY社では、セールスへの広告活動の短期的ROI最大化のための出稿時期戦略を必要としていました。このブランドXは、最近の割安な競合商品の台頭によってセールスが減少してしまい、それによって広告活動の見直しが大きな課題となっていました。

そこでSPIは、セールスデータとマーケティング関連データなどを用い、まず初めに回帰分析によってマーケティングミックスモデルを作成しました。この分析により判明したことのうちの1つとして、メディアに対する投資の中でもTVのROIが高い、ということがありました(以下のグラフを参照)。

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TVが重要なメディアである、ということが分かったところで、さらに他のマーケティング変数や外部変数とTVへの出稿の間に関係性があるのではないか、という仮説も浮かんできます。この仮説を検証するために「ニューラルネットワークモデル」という手法を使用して分析を行うことにしました。「ニューラルネットワークモデル」は、脳の神経回路をモデル化した手法で、変数間の交互作用(相乗効果)や、変数の非線形的効果を測ることができます。

この分析の結果、気温との間に興味深い関連性が見られました(以下のグラフを参照)。

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この商品は暑い時期に売れる商品ですが、実は気温が低いときほどTVの出稿が効率的、つまりROIが高かったのです。さらに、TVの出稿量がある程度を超えると、セールスの反応が悪くなることも分かりました。

この気温との関係性の背景には、どうやら競合商品の影響があるようでした。暑い時期に広告活動を行ったとしてもロイヤルユーザーのみを刺激するだけで、浮動層は新商品である競合商品のトライアルユースへと流れてしまうのでは、という仮説が考えられたのです。

そこからエスピーアイは、暑い時期の広告活動を減らし、その分を寒い時期にシフトする、という戦略を導出しました。また出稿量については、最もROIが高くなる量が適切である、という結論を得ました。

今後Y社においては、他メディアについても分析で導き出された仮説について検証を重ね、広告投資ROIの更なる向上に努めてまいります。

文責:エスピーアイ

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