SPI REPORT

消費態度変容モデル [Synopsis]

「高いコストを払って、毎月、ブランドトラッキング調査をしている。しかし質問項目が25もあって、どれが売り上げを伸ばすのに力を入れるべき項目なのかわからないし、どの項目がどれだけ上昇すれば今期のマーケティング・コミュニケーション活動は成功したと判断できるのだろう?」

このケースはFMCG(Fast-Moving-Consumer-Goods: 日用消費財)のクライアントからのご依頼でした。分析対象ブランドはローンチ後何年も経過しているロングヒット商品。もうすでに認知率は充分獲得できているのは分かっていて、認知率の先が知りたい、というニーズを抱えていらっしゃいました。

そこで私どもは過去数年分のデータをいただき、以下のような分析をすることで、この商品に関するKPI(Key Performance Indicator)を設定いたしました。


 

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まずTV GRP量、Total salesのデータ、そしてブランドトラッキングデータの中から、コミュニケーションに関連する12指標を選択し、共分散構造分析という手法にかけました。

TV広告によるコミュニケーション活動が、消費者のどういうマインドを動かし、最終的にセールスにつながったのか。いくつかの仮説を元に試行錯誤を繰り返し、結果的に右表のようなモデルを特定いたしました。(四角で示される変数が、データとして利用可能だったもの、また、丸で示される変数が、データとしては存在せず、こちらで仮説としてあげた変数となります)

この図から、TV広告(TV GRP)を見ることにより、消費者の心の中で「そのブランドが思い出されやすい状態」(Brand Activation)が作り出され、店頭に行った際に他ブランドよりもそのブランドを購入しようという「購入意思決定」(Purchase Decision)が高まり、最終的にセールス(Total Sales)へとつながる、という流れが成立していることがわかります。またこのブランドは既に確立されたブランドですので、「ブランド認知」(Brand Awareness)は、今更TV広告(TV GRP)に大きく左右されないが、「ブランドが思い出されやすい状態」(Brand Activation)を作り出すのに一役買っている、ということを示しています。

この分析結果から、このブランドのマーケティングコミュニケーションKPIとして、セールスに対する影響力の高い「好きなTV広告だ」(Most Favorable TVCM)と、「TV広告と聞かれて思い出すCM」(Unaided TVCM Recall)の指標をご提案いたしました。つまり、好感が持て、強く印象に残るTVCMにすることがセールスに効く、という結果でした。

一見、当たり前の結果に思われますが、TVCMといってもさまざまなトーン&マナーがありますし、商品カテゴリーによって、影響力の高い要素は異なるでしょう。今回のKPIはクリエイティブに関するものであったので、さらにクリエイティブテストの調査データをいただき、「クリエイティブテストのどの調査項目が高いクリエイティブが、セールスを上げるのに効果的か」についての分析もいたしました。このように実績データを用いて、どのようなTV CMが効果的かを特定できたことはクリエイティブ製作の面でも大きな意味がありました。


また今回の分析プロジェクトでは、上記のような質的側面だけではなく、さらにKPIとTV広告量との関係を分析し、「このKPIを目標値まで高めるには、月あたりどのくらいのTV広告出稿が効率的か」という量的側面のご提案をいたしました。


質・量ともに効果的・効率的なコミュニケーション活動を行うことで、上記のKPIは上昇し、その上昇度合いをコミュニケーション活動の評価とできるでしょう。


このように漠然と捉えられがちなマーケティングコミュニケーション効果について、実績データから事実を一つずつ明らかにしていくことが、意思決定や、戦略の構築に非常に有用であると考えています。

文責:エスピーアイ

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