SPI REPORT

エリア別TV SPOTコスト配分の最適化

事例

SPIでは、しばしば広告コストの最適配分のご依頼をいただいています。複数メディア間での最適配分、出稿タイミングの年間最適配分、SPOTコストのエリア別最適配分などがその一例です。今回は、新商品の認知拡大を目指して全国にSPOT広告を出稿するクライアントを想定し、以下の条件のもとで「エリア別SPOTコスト最適配分」の「最適化」を行うプロセスをご紹介します。

- TV広告の目的は、認知の拡大
- 予算は1億円
- 全国ネットのTIMEも購入している

「最適化」とは

「コスト配分を最適化する」とは、どういうことなのでしょうか。このケースでは、「全エリア合計として、広告費1単位から得られる認知率を最大化すること」が最適化にあたります。これを達成するためには、以下の2つを考慮しなければなりません。

  1. バイイング効率の最適化:1GRPをいかに効率よく購入するか(Cost/GRP、いわゆるパーコストで測定)
  2. 広告効果の最適化:1GRPでいかに高い認知率を獲得するか(認知率/GRPで測定)
この効率と効果の2つを数式で表す(モデル化する)ことで、「広告費1単位あたりで得られる認知率」をエリアトータルで最大化する配分を特定します。

最適化のプロセス

最適化は、以下のプロセスで進みます。
(1) SPOTコスト投下から認知率までの流れを、エリア別にモデル化する
 i) 「コスト投下→GRP」のモデル化
 ii) 「GRP→認知率」のモデル化
 iii) 「コスト投下→認知率」のモデル化
(2) (1)のモデルを使って、最適化を行う
以下より、各プロセスについて解説します。

(1) SPOTコスト投下から認知率までの流れを、エリア別にモデル化する

「コスト→認知率」の流れを、「コスト→GRP」と、「GRP→認知率」に分けてモデル化し、最後に一つにまとめます。GRPを経由するのは、以下の理由によります。
 1) TIMEとSPOTでのパーコストの差異をモデルに反映させるため
 2) 広告量で認知率を説明するには、コストではなく、露出量(GRP)で見る必要があるため

i) 「コスト投下→GRP」のモデル化

同じ1GRPでも、TIMEとSPOTでは価格が変わりますし、エリアごとにも異なります。よって以下のようなことが起こります。(TIMEではパーコストという概念は通常は用いませんが、SPOTとの比較のために、過去の実績値などを使い、TIMEパーコストを算出します)

   エリアA
SPOTパーコスト < TIMEパーコスト
→ SPOTを投下すればするほど、
全体のパーコストは低下
エリアB
SPOTパーコスト > TIMEパーコスト
→ SPOTを投下すればするほど、
全体のパーコストは上昇
 
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例えばこの場合、コスト効率の観点からは、「エリアBにはあまりSPOTを投下しない方が良い」ということになります。

ii) 「GRP→認知率」のモデル化

同じ1GRPでも、エリアごとに押し上げられる認知率は異なります。過去の認知率データ、GRPデータから、単回帰モデル(ピンクのライン)を構築します。一般的に、GRP投下量を増やすほど認知率に対する効率は下がっていくため、非線形(逓減)モデルを想定します。(緑のラインが各GRP量での効率を表しています)

 

 
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iii) 「コスト投下→認知率」のモデル化

i), ii) のモデルを合わせて、「コスト投下から認知率までの流れ」のエリア別モデルを構築します。(TIMEは必ず出稿されますので、その上にSPOTを投下することを想定したモデルになっています)

 

 
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「バイイング効率」「広告効果」を考慮した結果、このエリアでは、120万円分 のSPOT投下がもっとも効率よく認知率を獲得できる、という結果になりました。(ただし、他のエリアも合わせて最適化したときに、このGRPが適用されるとは限りません)

(2) (1)のモデルを使って、最適化を行う

全エリア分の(1)-iii)のモデルを使用して、1億円という予算を各エリアにどのくらい配分するか、の最適化を行います。今回は、「全エリア合計の認知率/Cost (認知率に対するコスト効率)」を最大化すること」を条件とし、最適化手法を用いて割り出しました。下記は、その結果例です(数字はダミー)。

 

 
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今回、予算は1億円と固定しましたが、コストを変えながらこの最適化を繰り返すことで、最適な投下コストも算出することができます。また、「どのエリアにも最低500GRPは投下」、「関東では認知率50%を確保」などの制約条件を考慮した最適化も可能です。

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。

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