SPI REPORT

マーケティングROIトレンド分析

商品の特性に合わせて、TV広告、消費者プロモーションなど様々なマーケティング活動が組み合わせて行われますが、同じ商品内で見ると、内容を変えて同じマーケティング活動が継続されていることが多いかと思います。よって、時系列的な効きの変化、例えば、「前回のCMクリエイティブと今回のクリエイティブで、売上に対する効きはどう違うだろうか?」などということが、気になるところではないかと思います。 弊社のご提供するサービスの一つに、マーケティング活動の効果測定があります。種々の活動がどのくらい目的変数(認知率やセールスなど)に貢献しているかを、統計的手法を用いて明らかにすることは、今後のマーケティング活動の意思決定にとても役立ちます。分析内容はクライアントのニーズに合わせ柔軟にカスタマイズしておりますが、その中の一つの切り口にトレンド分析があります。今回はこのトレンド分析のケーススタディをご紹介します。

効きの時系列的変化

今回の分析対象はFMCGの食品ブランドだったのですが、最終的に9つの変数を用いて分析を行いました。以下のグラフは、そのうち4つの変数の、セールスに対する貢献度の時系列的変化を示しています(赤線は統計的に有意であったことを示します)。

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例えば、「TV GRP」のグラフを見ると、前半はセールスを強く押し上げていたのに対し、後半はどんどん効きが落ちていることがわかります。また、「ベースラインセールス」は、TV広告やプロモーションキャンペーンなどで直接押し上げられたセールスではなく、基本的に店頭にあれば売れる効果を示す変数(この分析内で弊社が作成した変数)ですが、ある一時期だけ高い貢献度を見せています。
このように、同じマーケティング活動でも、時期(活動内容)によってセールスを押し上げる力に違いがあることが分かります。

効きの違いをもたらした原因の特定

セールスを押し上げる力に違いがあると判明したところで、次に、なぜその違いが生じたかの原因特定を行います。以下のグラフは、さきほどのグラフ上に、各4つの変数にそれぞれ影響していると思われるデータを重ね合わせたものです。

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「TV GRP」を見ると、有名タレントが登場するCMクリエイティブからタレントを使わないクリエイティブに変わったことで、GRPのセールスを押し上げる力が弱くなってしまったことがわかります。また、「消費者プロモーション」では、プレゼント内容によって貢献度が全く異なること、特に「世界一周プレゼント」よりも「曲プレゼント」の方が反応が良いことから、プレゼント内容が高額であることよりも消費者にとって利用しやすいかどうかが重要なのでは、という知見が得られました。「ラインナップ数」からは、特定成分を使用した商品(水色部分)であるとラインナップ数を増やすことが逆にセールスを悪化させること、しかし特定成分を使用しない商品(ピンク色部分)ならばラインナップ数を増やすことで再びセールスを押し上げられるようになることがわかります。最後に「ベースラインセールス」からは、プロモーションキャンペーンと新商品投入回数を増やすことがセールスのベースアップをもたらすのではないか、という結果が得られました。特にプロモーションキャンペーンの影響が強く出ていますが、プロモーションキャンペーンを展開することでトライアル消費者が増え、一旦購入したことでトライアル消費者の商品に対する距離が近くなり、店頭にあれば自然と買ってくれるリピート消費者になったのではないかというプロセスが考えられます。

マーケティング活動間の効きの時系列的変化

また、マーケティング活動内ではなく、活動間の力関係を押さえることも可能です。どの活動が最もセールスに影響するのか、その貢献度の強さに変化はないか、最近強くなりつつある活動はないか、などを知ることができます。以下のグラフは、分析において使用した全変数のセールスを押し上げる貢献度を100とした場合の、時系列の力関係の推移を示しています。

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このグラフから、このブランドのセールスには、店頭における「フェース数」を高めることが最も強くかつ継続的に貢献するマーケティング活動であることがわかります。「新商品投入」も影響力を強くしつつあり、さきほどの分析から得た知見を合わせて考えると、特定成分を使用しない新商品を積極的に投入していくことでよりセールスを高めることができると考えられます。「消費者プロモーション」は前半で影響力が高い方だったので、プレゼント内容をより消費者に利用しやすいものにして反応を回復させることで、再びセールスを押し上げてくれる強い味方になってくれるのではないかと期待できます。

マーケティング活動の効果測定にも、このように時系列的な切り口を加えることで、より深い知見を得ることができます。活動内容の変更だけではなく、マーケットの環境変化やターゲットの質的変化などの影響も合わせて考えると、将来的な意思決定へのさらなるヒントが得られると思います。

文責: エスピーアイ

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