SPI REPORT

広告業界の新しいプレーヤー

毎日新聞PR誌「SPACE」
広告効果の視点 (1)「広告業界の新しいプレーヤー」
小泉 秀昭

これから1年間、「広告効果」というテーマで連載を始めます。

今回、私が担当することになった理由をご説明するために、現在勤務しております「エスピーアイ」について少しご紹介いたします。

「エスピーアイ」とはStrategy, Productivity, そしてInsightという3つの言葉からとったもので、広告代理店ではありません。日本で初めての広告メディアのコンサルティング会社です。広告のコンサルティングと聞くとピンとこられない方も多いと思います。いったい広告代理店とどう違うのかと質問されたい方も多いのではないでしょうか。現在は業務の内容も広がり、広告メディアはもとより、マーケティングコミュニケーション全般にかかわるお仕事をしておりますが、一言で言えば広告主のコミュニケーション活動のROI(投資効率)を高めるお手伝いをする会社です。

1995年に「ストラテジック プラナーズ インターナショナル」という社名でベンチャー企業としてスタートしました。設立時は、外資系広告会社に勤務する外国人の社長と日本人のメディアディレクターら4人でスタートしました。彼らは日本の広告メディア事情が非常に前近代的であり、そこには大きな可能性があると思ったわけです。外国では比較的あたり前と考えられている広告の時系列調査や広告効果の検証も日本で実施している企業は非常にまれであるといわざるを得ません。そのような中、広告代理店ではなく、純粋に客観的な視点で広告の効果を分析する会社は、きっと近い将来必要とされると考えたわけです。その後2000年に欧州で最大の規模を誇る、AEGISグループの傘下に入りました。AEGISには私どものようなコンサルティング業務を行っているMMAや市場調査のグローバル企業であるSYNOVATEもおりますが、その中核企業は広告メディアのプランニングと購入を行っておりますCaratグループです。Caratは欧州では最大のメディア専門会社です。現在欧米では、広告代理店ではなく、Caratのような広告メディアに特化した専門会社が急激に台頭しています。英国では83%、フランスでは75%の広告メディアの取り扱いは総合広告代理店ではなく、Caratのようなメディア専門会社が行っています。なぜこのようなメディア専門会社が急速に発展してきたのでしょうか。それには2つの要因があげられます。1つはより安く広告メディアを購入したいという広告主の要望があったこと。そしてもう1つは、Webなど新しいメディアの出現や特に若者を中心とした既存メディアへの意識の変化によりターゲットへの到達が非常に困難な状態にあるためです。限られた予算でどのように高い効果を得るか、これは欧米の広告主のみならず、日本の広告主の皆さんにも大きな問題ではないでしょうか。日本でも博報堂、大広、読売広告社が新しいメディア専門会社を立ち上げると発表しております。日本にも着実に変化の波が押し寄せています。日本の広告業界ではまだ、広告主、媒体社、そして広告代理店という3つのプレーヤーしか存在していません。しかし欧米では、すでにメディア専門会社、監査会社あるいはコンサルティング会社という新しいプレーヤーが重要なポジションを確立し始めています。

この1年間、広告効果というテーマを通して、広告業界の新しい流れを考えていきたいと思っています。そして皆さんと一緒に少しでも、時代の流れに流されるのではなく、時代の流れの先を泳いでいきたいと思います。

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