SPI REPORT

調査データの重要性

毎日新聞PR誌「SPACE」
広告効果の視点 (4)「調査データの重要性」
小泉 秀昭

先日、日本テレビの視聴率操作の問題が発生しました。我々広告/マーケティング活動に携わるものすべてにとって大変悲しい事件であったと思います。この問題の原因を考える上で当然、個々人のモラルという点があげられますが、それ以外にもいくつかのポイントがあります。一つにはサンプル数の少なさです。ビデオリサーチ社では、現在関東地区に関し600世帯で視聴率を推定しています。もちろん統計的な検証を行っているわけで、世帯をベースとした視聴率の場合には問題ありません。ただし、性年代別などターゲットごとの分析を行う場合には十分とはいえないと思います。また、サンプル数が少ないということはそれだけ、1サンプルの影響度は増してくるわけです。

2番目の問題は、現在視聴率調査としてはビデオリサーチ社のデータしか存在していないことです。2003年1月より調査会社のインテージ社がシングルソースジャパン(以下SSJ)という広告効果分析データベースを立ち上げました。これには視聴率も含まれておりますが、ビデオリサーチの視聴率データとは目的が異なるものです。日本でも以前はニールセン社が視聴率データの供給サービスを行っておりましたが、現在は中止しており、このような事件を考えると、複数社での調査が望まれるわけです。インテージ社のSSJのお話が出ましたので、今回は、このデータについて少し書かせていただきます。ビデオリサーチ社の視聴率データに関しては、すでにご存知の方が多いと思います。図表にあるように、世帯および個人のTV視聴に関して毎分ごとのデータとして供給しています。広告主がTVで広告を流す場合にこの視聴率を基準に価格が決められるわけです。

一方、インテージ社のSSJは視聴率と購買結果のクロス集計し、広告効果の分析のためにデータを供給しています。このデータを使えば、実際自社のテレビ広告を見た人と見なかった人で、自社の商品の購入状況の違いを直接的に評価することができるわけです。この方法が広告効果を測る上でまったくの問題がないというわけではありませんが、より精度の高い広告の効果を明らかにする上では、興味深いデータといえましょう。

ビデオリサーチ社でも以前、このようなシングルソースの調査(メディアの接触に関する調査対象者と購買などの態度に関する質問の対象者が同一である調査)を行っておりました。今は行っておりませんが、現在新たに計画中であると聞いています。ビデオリサーチのACR調査もシングルソースの調査データですが、残念ながら年1回の調査です。このようにメディアに関する調査についてもより実際の購買行動に結び付けようとする方向に向かいつつあるのが現状です。

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。