SPI REPORT

C・ROIの重要性

毎日新聞PR誌「SPACE」
広告効果の視点 (5)「C・ROIの重要性」
小泉 秀昭

何号かにわたって、広告の効果を測るために接触を基本にした分析では十分でないことをお話ししてきました。それでは、どのようにして広告の効果を総合的に測定していけばよいのでしょうか。色々な研究者の方々がこの課題にチャレンジし、まだこれが唯一の方法というものは出されていないと思います。そこでここでは、私、すなわちエスピーアイが考えるステップをご紹介したいと思います。

私どもでは、もちろん質的な情報あるいは分析を大変重視しています。ただし、私どもが得意とする分野は、マーケティングそして広告コミュニケーションに関わる計量的なデータを分析することです。経営の世界ではROI(Return on Investment/投下資本利益率)が重視されていますが、マーケティングの世界でもコンサルティング会社のアクセンチュアがM・ROIとして、マーケティングのROIという概念を提唱したり、IMCで著名なドン・シュルツ教授がB・ROI、すなわちブランドに投資したものに対してどの程度の利益が得られたのかという概念を出されています。私共は、コミュニケーションのROI、すなわちC・ROIの重要性をお話ししています。すなわち、簡単に言ってしまえば投資した広告費に対して実際どれだけの売上げが上がったのか。100万円の広告費を使うことで、いくら実際の売上げが上がったのかということです。もちろん、短期的な売上だけを目的として良いのかというお話はあると思います。しかし、現在の厳しいビジネス環境を考えれば、当然売上げの維持ということは大きなポイントとして重視されなければならないと思います。すなわち、「コミュニケーション(広告)は、マーケティング活動全体の中で求められている役割を果たしているかという点で評価されるべきである」ということです。広告活動は芸術ではありません。コミュニケーションあるいは広告の目的はあくまでマーケティング戦略、すなわち最終的には継続的に伸び続けるセールスの仕組みを生み出すものでなければならないのです。これまでの広告効果の論議の問題点は、この点を横に置いていたことではないでしょうか。もちろん、広告認知や広告好意度などこれまでコミュニケーション目標として使われていた中間的な指標を無視するつもりではありません。しかしながら、どのような中間指標であってもあくまで最終の目的を見据えたものでなければならないのです。

そこで考えていかなければならないのは、最終目標を達成するための中間指標、キーとなる要因の特定です。すなわちキーパフォーマンスインディケーター(KPI)を明確にするということになります。何を測れば最終の目的が達成できるのかが明確でないため、多くの指標を調査し、結局はどの数字を使えば良いのかわからず、自分達が望む結論を出すために調査を用いることにもなるのです。自分たちのマーケティング活動は何のためにやっているのか、そしてそれに最も影響を与えているものは何かをしっかりと理解するということです。それでは、キーとなる要因はどのようなものから導き出すことができるのでしょうか。これらの分析のためにはまずデータが必要になります。ただし、データがないからといってあきらめることも馬鹿げています。まずは、そのようなキーとなる要因を特定するという気持ちを持ってください。実際の私どもの分析では、ブランドや競合のセールスデータ、時系列で広告主が取られている認知率などの調査データ、そして同じく時系列のコミュニケーション量のデータを使用し、統計的解析手法により特定を行っています。次号では具体的にどのような分析を行っているのかをお話ししていきたいと思います。

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