SPI REPORT

ロシター・パーシーグリッドを用いたKPIの考え方(2)

毎日新聞PR誌「SPACE」
広告効果の視点 (8)「ロシター・パーシーグリッドを用いたKPIの考え方(2)」
小泉 秀昭

前号では、広告コミュニケーションの効果を測るためのキーとなるKPI(Key Performance Indicator)に、理論的な整理により近づく方法としてロシター・パーシーグリッドをご紹介しました。そして特に、下図の上の2つのセルである低関与情報型と低関与変換型の製品についてお話をさせて頂きました。

前号でも触れましたが、情報型の製品とは、「何かの問題を解決したいとか」、「完全に満足していない状況に対応する」というものです。低関与の製品の例で言えば、たとえば、カビ取り洗剤などがこれにあたります。一方変換型ですが、感覚的な満足を与えてくれるもの、たとえば高級なアイスクリームやお菓子などがあげられます。

それでは高関与情報型ではどのような要因がKPIとなりうるのでしょうか。特に高関与情報型の状況を考える場合、製品ライフサイクルの段階によりその指標となるものが変わることを理解しなければなりません。たとえば、HDDレコーダなどこれまでにない機能を有する商品に関しては、カテゴリー自体の理解度が必要になってきます。一方、カテゴリーニーズがある程度理解させた後では、実際このブランドがどのようなベネフィットをもたらしてくれるのかなど、ベネフィットの理解度がより重要となります。但し、低関与情報型とは異なり、高い関与を購入時に持っているわけですので、購入に対する確信といったものを購入時以前に持たせる必要があるわけです。その意味からすれば単にベネフィットの理解度のみならず確信を持たせるための説得度などがKPIとなりうるわけです。

一方、高関与変換型では、低関与の状況とは異なり、好意を持ってもらえば良いということだけでは不十分です。例えば、高級ファッションブランドや豪華客船でのツアーなどがここで考えられる商品です。高関与変換型では「あれは私のため」と感じるようなブランドとの同一化が必要であるとロシター&パーシーは述べています。消費者はそのブランドを使用している状況を空想するなどし、広告情報を処理しているのです。したがって、この同一化を測る指標が一つのKPIとなるわけです。例えば、「自分のためのブランドだと思うか」などといったものです。またもう一つの低関与と異なる点としては、いかに情動的なコミュニケーションが真実味を持っているかという点です。製品の機能などを伝えることに比べ、真実味のある表現を作成することは、中々難しいことと言えましょう。

KPIを理論的整理で導くことは容易なことではありません。自分のブランドがどのセルに含まれるか、あるいは二つのセルにまたがる場合もあるでしょう。しかしまずは自分の顧客を深く考え、そして、その行動を基にKPIを特定していくことが一つの手段と思われます。

さて、次号では複数のメディア、たとえばTVや雑誌だけではなく、交通広告などSP広告と呼ばれている広告媒体も含めた広告の効果をどのように測定していくかに関して少しお話しをしたいと思います。

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