SPI REPORT

複数媒体の広告効果の測定

毎日新聞PR誌「SPACE」
広告効果の視点 (9)「複数媒体の広告効果の測定」
小泉 秀昭


先日、広告主の方を対象とした広告効果に関するセミナーを行いました。その時にお話があった質問として、交通媒体や屋外媒体、そしてチラシ広告など、主要マス四媒体といわれているもの以外の広告効果をどう測定したら良いかといったことでした。私の答えも「難しいですね」といったことになってしまいます。事実これらの媒体、特に屋外広告などはデータも少なく、実務を行う上でも苦労をしています。

複数の媒体の効果を比較する時の問題点は、たとえば異なるサイズ、内容のものをどう統一するのかといったこと。4色1ページの雑誌広告と15秒の広告を比較しても良いかということです。またもう一つの問題点は、各媒体は異なる機能を持っているということです。認知を高めると言う視点ではTVは優れていますし、一方商品特徴の理解という点では、プリント媒体に一日の長があると思います。そこでキーとなるのが、これまで何号かでご説明をさせていただいたKPIの考え方です。KPIとはKey Performance Indicatorの頭文字で、皆さんのマーケティング目標、たとえば売り上げとかシェアーとか、あるいはブランドエクイティ指標等に最も影響を与える要因を探し出し、それを高めていくという考えです。このKPIが明確であれば複数のメディアの効果を測るということはそれほど難しいことではありません。すなわちその目標としてのKPIに対して、各媒体がどのくらい貢献をしたかを分析すれば良いわけです。例えば、ブランドの純粋想起の数字を時系列に調査し、その数字の上昇に対して各媒体がどの程度貢献したかといったことです。その分析に関し私どもでは計量的な手法を用いています。ここで、複雑な分析手法をご紹介することは誌面の都合上無理ですので、比較的行いやすい方法をご紹介しましょう。と申しましても調査データは必要になります。

この方法は、基本的にスターチが提案したネタップス法の考えに基づいています。まず前回までに述べた方法で、KPIを決定する。そしてそのKPI、たとえばブランド購入意向と各媒体別の広告認知を測定します。基本的には、各媒体費を、広告認知者の中での購入意向者の全体に対する割合で割るという方法です。すなわち、媒体ごとの広告認知者の中で購入意向を持っている人のサンプルを抜き出し、そしてそのサンプルを全サンプル数で割ります。次にその媒体の費用を算出した数値で割ります。この数字を媒体ごとに出し検討するわけです。この方法では、広告以外の要因が広告の規模に比例することなどいくつかの問題があり、必ずしも正確なものではありません。しかし実施可能でありかつ私どもの過去の経験ではかなり妥当性の高い結果を得られています。ここで注意しなければいけないことは、そのサンプル数です。たとえばラジオ広告を認知している人の出現率はかなり低いことが予想されます。その場合にはかなりのサンプル数が必要になるでしょう。

この分析によってその時点でそれぞれのKPIへの貢献度が把握でき、効率の良い媒体を選択することができることと同時に、この分析を時系列で行うことにより、もし何かある媒体の貢献度が落ちてきた時に何らかの問題、たとえば表現上の問題やメディアプラン上の問題があるという警告を与えてくれることになるのです。実際弊社の分析では、多くのモデル式と新しいテクニックも用いていますが、このような方法も検討にあたいすると思っています。さて次号はいよいよ最終回ということで、これまでのまとめも兼ね、お話をさせて頂きたいと思っています。

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。