SPI REPORT

広告主の立場にたつ広告会社とは?

広告主の立場にたつ広告会社とは?

小泉 秀昭

日本ではよく、メディアを売るという言葉を耳にします。米国では逆にメディアは買うものだと思われています。どうしてこのような違いが出てくるのでしょか。これは日本と米国では広告会社の発展が大きく異なることからきているのです。米国で、近代的な広告会社が設立されたのは、1841年Volney B. Palmarが最初と言われています。ご存知の方も多いと思いますが、当初は新聞の広告面を売るセールスエージェントでした。その後、George Rowellといった人物がブローカーとして仕事を始めます。Palmarに比較すれば媒体社とは一線を置くものでしたが、まだ広告主の立場にたった広告会社と呼べるものではありませんでした。そのような中、南北戦争から10年ほどたった1876年にN.W.Ayer&Son社と言う広告会社が始めて契約・手数料公開制度をスタートさせました。これは媒体社からの請求金額、すなわちネットコストを広告主に明らかにし、その後一般的となる15%というコミッション率を提案しました。当然大きな物議をかもし出し、また他の広告会社から批判もうけたとのことでした。そして米国ではこの頃から、広告会社が2つの流れにわかれていくのです。1つは、あくまで、媒体社側に立ちメディアを販売するメディアレップ(Media Representative)とAyerに代表される広告主に立つ広告会社です。日本でも1880年には新聞の広告取扱を担当する広告会社がスタートしています。しかし、日本では、メディアレップと呼ばれる会社は非常に少なく、現在も媒体社と資本関係を結ぶ広告会社が多く存在しています。新聞社系の名前のついた広告会社が多く存在するのもその一例です。日本では、媒体社とも非常に近く、そして広告主とも近い二面性をもつ広告会社が多いのが現状でしょう。

それでは米国の広告会社はすべて広告主の側に立ち仕事をしているのでしょうか。全てがそうでないことは明らかでしょう。そのため、日本では余り見られない、広告に関するコンサルタントや広告会社を監査する会社が欧米では多く存在しています。文化の違いもあり広告会社を監査するということが日本でなじむかは分かりませんが、広告の説明責任が問われている現在、日本でもこのような流れになることは十分考えられると思います。

広告会社は大変良くやってくれる。でも全て信じても良いのかと疑問を持たれている広告主の方も多いと思われます。広告主の立場に立った広告会社にはいくつかの条件があると思います。もちろん、自社や媒体社の利益を優先せず、担当する広告主の成功をまず考えて広告活動を行うことは当然です。そして特に重要なことは、全てのことに対してオープンで秘密を作らないことです。これは広告主についても言えることです。広告会社に対しても極力情報は共有する姿勢は大切です。一言でいえば信頼関係の構築でしょうが、広告会社に秘密を持たせない環境作りということも大切といえましょう。秘密を持たないと口で言っていても本当かどうかを知ることはできません。そのために欧米では、定期的にレポートを出させたり、監査会社がチェックしたりしているのです。何もあら捜しをするということではなく、逆に安心して信じあえる環境の中で、お仕事をしていく。そのために広告主側でも方策をとっているのです。

また広告主側に立った広告会社とお仕事をするためには、あまり多くの広告会社とお仕事をすることはお勧めできません。欧米では2-3社の広告会社とお仕事をすることが一般的といわれていますが、日本では数十社、あるいは数百社の広告会社と取引をされている広告主があると聞いています。逆に広告会社の担当者も一人で10数社の広告主を担当しなければいけないことになるのです。それでは、中々そのブランドのことに集中し、全てを話し合える関係にはなれないと思います。そのようなことをお考え頂き、是非、広告主側に立った広告会社とお仕事をしていただき、一緒に課題を解決していただけることを願っています。

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