SPI REPORT

戦略的メディアプランニング

IV. 戦略的メディアプランニング

これまでメディアプランニングの重要性、そして特に高度なメディアプランニングが広告コミュニケーションにとって重要であることを述べてきました。次に、高度なメディアプランニング、すなわち戦略的メディアプランニングとは、どのようなものであるべきなのかを検討することにします。

戦略的メディアプランニングを検討する前に、まずメディアプランニングとは何かを見ていく必要があるでしょう。AMAでは、「広告主が用いる広告メディアと関連した目標、標的市場の規定、使用する広告メディアのタイプ、配分する広告予算、そして使用するビークルごとのタイム・スケジュールを明らかにすること」と定義しています。次にわが国で数少ない広告メディアに関する翻訳書である、Barban他の『マーケティングからみた媒体プラニング』における定義では「マーケティング目標の達成に貢献するために広告のタイムやスペースをどのように利用するかということを示した、行動の方向づけを企画化するプロセス」とあります。また岸他の『現代広告論』では「媒体目標の設定、媒体戦略、予算配分、媒体ビークルと広告単位の選択、出稿パターンとスケジュールリング案の作成・評価、最善案の選択」となっています。メディアプランニングという用語ではないが、Kotler他は『新版マーケティング原理』で次ぎのように説明を行っています。「広告媒体の選択とは、(1)到達度、頻度、インパクト度の決定、(2)主要な媒体のタイプの選択、(3)特定媒体機関の設定、(4)媒体のタイミングの決定」

これらの定義を見ても、大方戦略に基づく銘柄媒体(個別媒体)の出稿スケジュールリングとなるでしょう。実務においてもこの出稿スケジュールにあたるメディアレイダウンと呼ばれる年間のスケジュール表を作成することがメディアプランニングと考える向きがあります。

実際のTVのスポットはいつどのくらいのGRPを出稿するのでしょうか。雑誌はどの銘柄媒体をどの月に何回用いるのかを表しているものです。もちろん最終段階でのメディアレイダウンは大変重要なものでありますが、これを作成するための戦略的な部分が脆弱なものとなりがちであることが特にわが国においての問題と言えるでしょう。たとえば、ドックフードを例に述べれば、以下のような書き方になるのではないでしょうか。

ターゲット:30代以上の犬を飼っている主婦
戦略:ターゲットグループの商品認知率を高めるために効率の良い媒体に集中して広告キャンペーンを実施する
地域戦略:関東、関西、中京
期間戦略:新製品発売時と棚替え時期の10月
主要メディア:TV、
サブメディア:雑誌、新聞折込チラシ、インターネット

加えて、メディアレイダウンの後にこのプランを行った場合に、どの程度ターゲットに広告が到達したかを表わすリーチ指標と何回くらい到達をしたかを表わすフリクエンシーの数字がつけられることはあります。たとえば、リーチ80%、フリクエンシー3回といった内容です。ここでの問題は、メディア戦略における目的が明確ではなく、たとえば、「新製品の認知率を高める」あるいは「製品理解を促進」など具体性を欠ける内容となっている場合が多ことです。またリーチ指標あるいはフリクエンシー指標に関してもそのメディア戦略における目標を達成するために必要とされるリーチあるいはフリクエンシーと言う考え方ではなく、与えられた予算で獲得できる数字を列挙しているに過ぎない状態となっているのです。メディア戦略で考えなければならいないことは、メディアの活動はあくまでその上位概念であるマーケティング目的に合致するもので無ければならないということです。もし、マーケティング目標がNo1シェアの競合に追いつくことであれば、その目標に沿ったメディア戦略を構築すべきであると考えられます。

市場環境の厳しい状況にある今日において、売り上げの増加、シェアのアップは多くの企業のマーケティング目標としてあげられているでしょう。またブランド論が注目されるなか、より長期的な視点に立ったマーケティング目標であればブランド・エクイティの強化等があげられるかもしれません。そのような場合、たとえば、売り上げのアップといったマーケティング目標を直接メディア目標としてあげることはできません。しかし、そのマーケティング目標に最も影響をもたらす、要因がどのようなものであるかを分析する必要があるでしょう。

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