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テレビスポットCM単価“SPIINDEX”の推移と今後の予測
エスピーアイミニコラム:mROI分析~”SYNTHESIS”‐第2弾<mROI分析の手法>

【Ⅰ】テレビスポットCM単価“SPIINDEX”の推移と今後の予測

*下記手法にて分析しています。
・当月含む前12ヵ月移動平均値(季節性・短期影響を省く為)
・「対2008年1月(リーマンショック影響の直後)」比

1. 過去結果:2008年頭から2012年6月までの推移

2012年4・5月は前年震災の影響で値下がりした反動で値上がりが加速したが、2012年6月は落ち着きが確認された。

2. 短期未来予測:2012年12月まで

年内はこれ以上のインフレ要素は無いと思われるが、依然として各広告主の積極的な出稿を行っている為、現在同レベルもしくは若干の値上がりで推移すると推測される。

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【Ⅱ】SPIミニコラム

弊社アナリストによる「SPIミニコラム」、第9回目となります。
シリーズ「mROI分析~”SYNTHESIS”」第2弾は、「mROI分析の手法」です。

<mROI分析~”SYNTHESIS”:「mROI分析の意義」>
前回はざっくりとその意義について述べました。
しかし意義はあっても、実際の分析により導き出される数値が“信頼できる”モノでなくては、その意義を活かす事はできません。
“信頼できる”結果は、下記3要因を持ち合わせてこそ導き出す事ができます

  • 的確な手法
  • 正確なデータ
  • マーケティング/メディア/広告購買への知識

では、具体的にそれはどういうものなのでしょうか。

的確な手法とは?
一口に「統計的な分析」と言っても、その中身は様々です。
同じ数値を分析する場合でも、手法により結果は変わってきますから、どのような手法を用いるかは正確な分析を行う為の大前提と言えるでしょう。

例えば、TVCMの投下量と、売上データの相関性を分析するとします。
TVCM投下量、売上データ、共にデイリー(毎日単位)であるとしてみましょう。

この際、「TVCM投下量」をどの単位で分析するべきか、を選ぶだけでも、様々な手法とそのプラス・マイナスが考えられます。

  • TVCM投下金額>>>時期・地区・TV局により「TVCMの単価」が異なるので、同じ投下金額=同じ投下量(TVCM量)とは言えない
  • TVCMの予定GRP(視聴率)量>>>放映後にGRP(視聴率)量が変化するので、正確な投下量と言えるのだろうか
  • TVCMの実績GRP(視聴率)量>>>「TVCMを見た人の量」は正確だが、“「投資金額」対効果”を見れなくなるのではないか

「他の指標はどこまで入れるべきか」も悩み所です。売り上げはTVCMだけでは成り立っていないのですが、色々な指標を入れれば入れる程“TVCMの効き目”が解りづらくなります。
また、色々な指標を入れ込んだ場合、天気や季節性という指標も出てきますから、どの単位でどの数値を入れれば良いのか、が重要なポイントとなります。
更に、色々な指標を入れ込むと“異常値”も増えますから、重回帰分析を行う際にこれをどう扱うかも考えなければなりません。

難しいのは、これらに対する答えは、広告主別・ブランド別・分析ケース別に存在しており、1つの決まった物は無い、という所です。
当然ながら、自動車広告の自動車販売への効果と、清涼飲料水広告の清涼飲料水売上への効果は、そのプロセスも時間軸も要因も全く異なるからです。

昨今、mROI測定の為の“汎用ツール”も出てきていますが、分析方法・modelの「柔軟性・信頼性」を考えての使用が必要ではないかと感じます。
最適なmROI分析結果を得る為には、一回一回ベストな手法を模索し選択する必要があり、だからこそ分析に対する統計的知識だけで無く、豊富な実務経験、過去からのナレッジ、適正なツールが求められます。


次回は、mROI分析に重要な、「正確なデータ」についてご説明したいと思います。

文責:小久江士郎(シニアコンサルタント)

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。

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