SPI NEWS
前回のレポートでは、日本と海外10地域を含む、主に先進国のメディア接触状況について、各地域の特性を調査しましたが、 今回は東南アジアなど、いわゆる新興国と呼ばれる国々について、性年齢別、就労状況、世帯ごとの経済状況、 最終学歴などのデモグラを調べた上で、価値観、ライフスタイル、メディア接触状況等についても調査を試みました。
1, 性年齢別分布(回答者sampleの構成)現在の婚姻関係の内訳が下記のグラフです。全体の約7割が既婚者であるのに対し、独身者 は全体の約4分の1程度、そして離婚者は全体の2%となっています。
そして、回答者のほぼ8割以上が都市部に住んでいます。
回答者中、「子供なし」と回答した人は全体の3割以上、次いで「2人」が25%、 「1人」が20%となりました。
まず、男女別の最終学歴は以下の通りです。
女性の方が男性よりも就学率が圧倒的に高い状況と言えるでしょう。
そして、次に男女別の就労状況です。
男性のほうが女性に比べるとフルタイム労働者が多く、約2倍の27.1%となっていますが、それでも全体の約3割にとどまっています。最も多く、全体の約6割を占めているのはパートタイム労働者です。女性は約半数がその他無職(家事手伝い/育児休暇中)となっています。パートタイム労働者は全体の約3割です。
以下は、男女別の業種ベスト5です。
男性は農業や建設など、体を動かす仕事が上位に入っています。 一方で女性はどちらかというと、小売業(一般、食品を含む)、商業、教育等ある程度の教養・知識が必要になる業種が中心となっています。
4, メディア接触量以下は、それぞれ1週間あたりの平均メディア接触時間です。
インターネットに接触している時間が1週間あたり平均27時間と、1番多い結果となりました。 これは一日あたりに換算すると3~4時間接触していることになります。 仕事での利用も含めるとやはり必然的に接触時間は一番多いメディアなのかもしれません。 次にテレビが18時間(一日に2~3時間)で2位となっています。 新聞・雑誌等の紙媒体は平均して1日に1時間と、メディアとしてはあまり接触率が高くないことが分かります。
圧倒的に全体量が多いのはテレビ、新聞ですが、テレビは女性のほうがやや多く、新聞は男性のほうが20%近くも上回っています。 また、ラジオもインターネットを上回って男女共に活用されていると言えます。 一番ミドル+ヘビーユーザー層が少ないのは雑誌で、男性に至っては10%を切っています。
5, 購入活動以下は支出に関する個人的意識です。
実に半数以上の人が、食料品や日用品を買うことは問題ないと答えています。
しかしその一方で生活に必要不可欠でないもの、たとえば趣味・嗜好品などの購入は気を使っていると答えています。
そして3割以上の人が、食料品や必需品が買えるように気を付けてはいるが、それでも時々購入が難しい時がある、と答えています。
では、インドネシアの回答者の方々が今後1年以内に購入をしようと思っている商品は何でしょうか。
以下は、1年以内に購入しようと思っている商品(電化製品、自動車、オートバイなど)です。
1位はスマホ以外の携帯電話という結果でした。iPhoneやBlackberryなどのスマートフォンは日本ほど普及率が高くないため、 4位となっています。これほどまでに購買意欲の高まっている携帯電話の普及率ですが、下(左側)のグラフを見ていただくと、 全体の約8割以上の人が携帯電話を持っていることが分かります。
また、右側は携帯電話の使用目的ランキングベスト5です。メールをするためのツールとして 使用している人が約8割近くなっています。2位に「音楽を聴く」3位に「SNSにアクセスする」、4位に「写真/動画をとる」がランクインし、生活必需品としてだけではなく、より生活を豊かにするためのツールとして、人々に普及しているのが覗えます。
いかがでしたでしょうか?
今回は新興国シリーズ第1回目ということで、インドネシアに焦点を当ててその国の人々の年齢、家族構成、婚姻関係、就労状況、メディア接触量、購買活動、さらにはその市場を急速に拡大している携帯電話について、など、様々な側面からデータを集めてみました。CCSでは、多様な観点からその国の特色を収集し、そしてさらに部分的に深く分析をしていくことが可能です。次回も引き続き新興国シリーズ第二弾として「CCS」にての調査分析を行っていきたいと思います。
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