SPI NEWS
前回のレポートからだいぶ間が開いてしまいましたが、今回は新興国シリーズ第3弾として、アラブ首長国連邦について就労状況/価値観、
及びメディア接触状況調査を行いました。
アラブ首長国連邦は、ポストBRICsとして注目が高まっている市場であるMENA(ミーナ)※¹に含まれるとされる※²国です。
※1 MENAは「Middle East」と「North Africa」の頭文字を取ったもの。
※2 明確な国際的定義はなく、諸機関でそれぞれ設定領域は異なる。
男性の約8割がフルタイムの職に就いている一方で、フルタイムで働いている女性は全体の
約4割にも届かず、全体の半数以上が「有給の職に就いていない」ことがわかりました。
以下は、男女別の業種ベスト5です。
男性は1位が地方自治体、2位が建設業、3位がエンジニア/デザインでした。 一方で女性は1位が教育、こちらも地方自治体が2位にランクイン、そして3位が小売業、 そして男女どちらも4位には会計がランクインしました。
2,性格・価値観性格・価値観 | 全体 |
人生の展望においてはポジティブである。 | 82% |
私はとてもエネルギッシュな人物である。 | 79% |
私はとても野心家である。 | 79% |
私は厳格な人物である。 | 76% |
いつも自分の感情には素直である。 | 75% |
すぐに新しいアイデアが浮かんでくる。 | 70% |
いつでも新しい刺激的な物事にアンテナを張っている。 | 69% |
他社の意見やお薦めはとても重要である。 | 67% |
よく整った手順に従うのが好きだ。 | 66% |
たいていは本音を自分の内側にとどめている。 | 63% |
自分の毎日に起こった出来事を家族や友人とシェアするのが好きだ。 | 61% |
他の人にどう思われているかに敏感である。 | 60% |
周りに自発的な人間だと思われている。 | 59% |
いつもパーティーを楽しんでいる | 58% |
他者との間に信頼関係を築くのは簡単である。 | 57% |
私は警戒心が強い人物である。 | 57% |
自分はクリエイティブな人物だと思う。 | 57% |
周りに冒険家だと思われている。 | 50% |
買い物をする際にアドバイスをよく求められる。 | 49% |
いつも自分が先に会話を始めるほうだ。 | 49% |
他社をリードするのが好きだ。 | 49% |
私は冒険家である。 | 46% |
周りにリスクテイカ―だと思われている。 | 40% |
金銭面を非常に心配する。 | 38% |
しばしば衝動的に行動する。 | 38% |
周りに対してカッとなりやすい。 | 33% |
初対面の人と会うのは居心地が悪い。 | 32% |
ストレスを感じやすい。 | 32% |
周りに心配性だと思われている。 | 26% |
総合的にみて全体の8割以上を占めている性格・価値観を見ると、「野心家」であり、「エネルギッシュ」であり、 常にポジティブで新しい物事に敏感な人間性が覗えます。一方で、「厳格な人物」でもあり、 「よく整った手順に従いたい」といった、非常に理性的な一面もみえます。 「ストレスを感じやすい」「心配性である」「初対面の人とは居心地が悪い」などのフレーズは対照的に低い傾向にあり、 全体的に明るく、ストレスを溜め込まない、他者に対しても非常にポジティブかつ柔軟である性格と言えるのかもしれません。
3, メディア接触状況ここではUAEのメディアハビットについて見ていきましょう。
1週間当たりの平均メディア消費量はインターネットがTVに並んで最も多く、 雑誌や新聞などの紙媒体とは対照的に18時間となっています。1日平均で2~3時間は1人当たり消費していることになります。 また、それに次いでSNSも11時間と多く、SNSの浸透率の高さが覗える結果となりました。
上記は、男女別でみた場合の各メディアにおけるヘビーユーザーの割合です。 先ほど圧倒的に消費時間の多かったインターネットについては、男性のヘビーユーザーが女性を 11%近くも上回っていることがわかります。また、インターネットと同程度で接触時間の多かったTVについては、 女性のヘビーユーザーが男性を2倍近くに上回っています。SNSは男女であまり開きはなく、30%前後となっています。
また、以下3つのグラフは、インターネット/SNSをヘビーユースしている男女にその動機を聞いたものになります。 インターネットは家/外のPCから、と携帯電話から、とデバイス別に分け、その動機を探ってみました。 それぞれ男女別で、黄色は男性側から見た、対女性比です。
インターネットをする場合の動機として男女ともに1番多いのは「物事を学ぶため」で、 次いで「信用できる情報を探すため」という動機でした。また、対女性比で特徴的だった動機としては、 「話題を探すため(対女性比130%)」、「価格、製品、サービスなどを調べるため(137%)」で、 女性に比べて男性は情報収集などの実用的動機メインでインターネットを利用していることが分かります。
携帯電話からインターネットを利用する場合の動機は、男女ともに「友だちや家族と過ごすため」がダントツで、 次いで「楽しむため」、「時間をつぶすため」となっています。日常におけるコミュニケ―ションや団らんの時間、 またはスキマ時間に携帯電話からインターネットを利用していることが分かります。 また対女性比で特徴的だったものは、「自分のテンションを上げるため(対女性比197%)」 「自分の時間を持つため(対女性比162%)」「現実逃避のため(対女性比158%)」となっています。
SNSを利用する目的は家族や友達とのコミュニケーションが男女ともにダントツの1位でした。 次いで「楽しむため」、「自分の時間を持つため」となり、SNSは娯楽の一部としてUAEの男女にも 親しまれていることが分かります。また、男性ヘビーユーザーの動機として対女性比をみると 「価格、製品、サービスなどを調べるため(対女性比205%)」「信用できる情報を探すため(対女性比150%)」など、 娯楽のためだけではなく、企業情報や商品情報などもSNSを利用して収集していることが分かります。
いかがでしたでしょうか? 今回は新興国シリーズ第3回目ということでしたが、MENAの一つとされるアラブ首長国連邦(UAE)に スポットを当ててまいりました。このようにCCSは、多様な観点からその国ならではの特色を収集し、 さらにターゲットを絞り込んで質問項目を細かく設定することも可能なツールです。次回は引き続き、 新興国シリーズ第4回目をお送りしたいと思います。
文責:渡辺あゆみ(PR主任)&小久江士郎(シニアコンサルタント)より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。