SPI NEWS
【2013年12月分析】
「新興国シリーズ【第4回】ベトナム」
年内最後となる新興国シリーズ第4回は、ベトナム社会主義共和国について、そのメディア接触状況や広告に対する意識、ライフスタイルの価値観などを調査しました。
ベトナムは、BRICKs※¹に次ぐ急成長が期待されているNEXT11※²のひとつとされる国です。
※1 経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国を加えた5カ国の総称。米投資銀行ゴールドマンサックスによる2001年の投資家向けレポートにより、世界中に認識が広まりました。
※2 ゴールドマンサックスによる、2007年の経済予測レポートで発表されました。他の10カ国は、イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、メキシコ。
TV、ラジオ、雑誌、新聞、インターネット、SNSの中で、ダントツで多かったのがTVの消費時間でした。 反対に雑誌や新聞などの紙媒体はTVの3分の1以下で、SNS・インターネットやラジオをも下回り、圧倒的に少ない結果となりました。
では次に、男女別で各メディアにおけるヘビーユーザーの割合を見ていきましょう。
ヘビーユーザーが最も多かったのはテレビでした。その中でも女性のほうが男性を4%上回って多い結果となりました。また、新聞は1週間あたりの接触時間としては少ない数値が出ましたが、ヘビーユーザーの割合としては男性では2番目に多く12%、女性でも10%と、TVに次いで多い結果となりました。 また、同じ紙媒体でも雑誌のヘビーユーザ―は女性のほうが圧倒的に多く、男性を5%多く上回っています。
では、これらのヘビーユーザーは、調査対象者全体に比べて、メディアに接触する際のモチベーションに違いはあるのでしょうか? 今回は一番ヘビーユーザーの割合が多かったテレビについてその動機をヘビーユーザー対全体、さらに男女別で調べてみました。
全体と比べて、約1.5倍多かった動機は男女共に「私にとっては必要不可欠なものだから」でした。 他にも「一人の時の話相手になってもらうため」「気分を上げるため」「現実から逃避するため」などが男女ともに5位以内に入っています。 また、男性は「価格をチェックするため」女性は「アイデアをもらうため」など、一般ユーザーに比べて、「情報を探す」という動機が多いようです。
2,広告に対する意識次に、ヘビーTVユーザーと全体との違いを、広告に対する意識、という切り口でも調べてみました。
やはり、テレビをより多く見ているユーザーのほうが、全体(=Totals)よりも普段屋外で目にする広告に対する意識が高いことが覗えます。
TVをより多く見ることによって、それだけTV-CMに触れる回数も多くなるからなのか、TVヘビーユーザーはより広告が身近な存在になっているのかもしれません。
では、これらのTVヘビーユーザーは全体に比べて主にどのような広告に興味を示すのでしょうか?
下記の数値は各商品の広告に対する意識のうち、「いつもチェックしている/面白い、興味深いものがある」と回答した人数の割合を、対全体比(男女別)で表したものです。
まず女性から見ていくと、1位がビール/ラガーとなっており、女性全体に比べて約2倍の人がポジティブな意識を持って見ている、ということになります。 また、男性では3位に「衣服/ファッション」5位に「美容/身だしなみ」がランクインしており、それぞれ本来の性別がもつイメージとは逆のもの(女性はビール、男性は美容など)にも高い興味を示していることが分かります。 普段多くの時間をTVに費やしている分、幅広い情報に触れる事で趣味嗜好や興味の幅が広がっているのかもしれません。
3, ライフスタイルの価値観最後に、これらのヘビーユーザーのライフスタイルに関する価値観を見ていきたいと思います。
女性男性ともに「たいていは感情を溜め込むほうだ」「周りから心配性だと思われている」「初対面の人と会うのは落ち着かない」など、 やや内向的な性格が覗える一方で、映画やファッション、株式動向やダイエットなど、多方面に広く興味を持っている好奇心旺盛な一面も覗えます。 また、「安いファッションアイテムを、より高いものと混ぜて着る」や「外出はお金がかかるので、インドアにシフトしている」など、 賢く情報を利用している器用さも持ち合わせていると言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
年内最後となる今回は、新興国シリーズ第4回目ということで、NEXT11の一つ、ベトナム社会主義共和国、
特にその中でもTVヘビーユーザーに焦点を当てて、動機、広告に対する意識、価値観などの切り口で調査を行いました。
このようにCCSでは、多種多様な切り口で質問項目を設定し、その他の回答者とも対比させることによって、
ターゲットの価値観、意識、行動などをより深く掘り下げることができます。
本年も長い間、SPIニュースを読んでいただき、誠に有難うございました。
2013年は弊社保有の消費者調査データベース「CCS」による調査レポートが中心でしたが、
2014年はより「メディア/マーケティングに関する一般的な疑問」について、掘り下げた分析レポート、を予定しております。
引き続き、より良い内容をお届けできるよう邁進してまいりますので、ご愛顧のほど宜しくお願い致します。
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