いつもSPIニュースを御購読頂きまして誠にありがとうございます。
企業のマーケティング・広告宣伝活動における費用/価格/投資対効果についての、測定/ベンチマーキング/透明化/最適化、を使命とする株式会社エスピーアイは、保有する「SPIIndex(テレビスポットCMマーケット平均/ベンチマーク単価)」を基に、「テレビCM最新市場概況(テレビスポットCMマーケット単価の推移)」と「2015年半ばまでの中期予測」についての分析を行いました。
分析結果は下記の通りです。
1)
2014年前半(1~6月)は対前年で約5~6%のインフレ
- …1~3月は消費税増税前駆け込み需要の影響でインフレーション
- …4~6月は上記反動を殆ど受けず、景気回復見込みが後押しとなり、需要逼迫によりインフレ継続
2)
今後2015年中盤(2015年8月)迄は、現在の急激なインフレがストップし、緩やかなデフレ傾向に転じる見込み
- …2014年後半は、2013年後半~2014年前半でのインフレ傾向が頭打ちし、反動が表れる見込み
- …2015年中盤(2015年8月迄)まで緩やかなデフレーション傾向になる、と予測される
詳細は下記をご覧下さい。
(1)テレビCM最新市場概況(テレビスポットCMマーケット平均単価の推移):2014年前半振り返り
…消費税増税前駆け込み需要と、その反動が未だ現れなかった事で、インフレが継続した
- 2007年に発生したリーマンショックによる経済ダメージの影響により、2008年頭からデフレーションが発生し、2010年初頭まで値下がりトレンドであった。
- 2010年初頭に値下がり傾向が底を尽き、景気回復と足並みを揃える形でインフレーションに転じ、途中東日本大震災の影響を受けたものの2012年半ばまでインフレ継続となった。
- 2012年半ば~2013年半ばは市況安定化していたが、2014年3月の消費税増税が決定するとその“駆け込み需要”の影響で急激なインフレ発生、2014年4月以降もしばらくは反動が表れず。
■下記図:SPIIndex=テレビスポットCMマーケット平均単価、の推移
- *インフレーション下では、購買時点コストはインフレしていないが「質(=予定GRPに対する実績GRP獲得量、等)」が大幅悪化する広告主、も多く発生する。
- *上記分析は「全体傾向」であり、地区別・局別で見ると大きな差異が生じている。
2)中期SPIIndex傾向値予測分析:2015年半ばまでの「テレビスポットCMマーケット単価」傾向値予測
…現在の急激なインフレがストップし、デフレ傾向に転じる見込み
●テレビスポットCMマーケット平均単価ベンチマーク、「SPIIndex」とは
- SPIIndexの定義(算出方法)
- 1st step=SPIIndex-basecost
…「各局のスポット総売上(月別)」を「各局の全広告主のスポット総GRP(月別、15秒換算)」で割ったもので、全広告主平均のスポット世帯GRP平均コストである。関東・関西・中京の民放合計15局別、月別に存在する。
→SPIIndex-basecost = 各局のスポットの総売上 ÷ 各局のスポットの総GRP
- 2nd step=SPIIndex-basecost×”SPI-adjustmentINDEX”
…「全平均」に“各広告主の発注条件を加味”する為、“SPI- adjustmentINDEX”での補正を実施
…“SPI- adjustmentINDEX”=SPIの過去1995年以来100社1,000ケース以上のSPI-datapoolから算出
→SPIIndex(「各広告主のテレビスポットCM購買条件に対応した」テレビスポットCMマーケット平均単価)
●中期SPIIndex傾向値予測分析、概念&手法
- SPIでは、SPIIndexと東証株価指数(以下 TOPIX)とは、TOPIX9ヶ月先行値において、強い相関があると分析している(図参照)。
これは、TOPIXに代表される企業の景況が将来の広告予算に影響を与え、その需給のバランスがSPIIndexに反映されていると考えることができる。
*SPIIndexは季節性を除去した傾向値を、TOPIXはノイズを統計モデルにより除去した前年同月比の傾向値を、それぞれ用いている。
図:SPIIndexとTOPIXとの関係(2007年1月~2014年8月)
●中期SPIIndex傾向値予測分析:2015年半ばまでの「テレビスポットCMマーケット単価」傾向値予測
- 前項の「SPIIndexとTOPIXとの相関性」をベースとし、2015年8月までの中期予測分析を実施、結果は下図の通り。
■下記図:中期SPIIndex傾向値予測分析結果、2014年10月時点
文責:渡辺あゆみ(PR主任)&小久江士郎(シニアコンサルタント)