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企業のマーケティング・広告宣伝活動における費用/価格/投資対効果についての、測定/ベンチマーキング/透明化/最適化、を使命とする株式会社エスピーアイは、保有する「SPIIndex(テレビスポットCM市場平均価格ベンチマーク)」を基に、「テレビCM最新市場概況(テレビスポットCMマーケット単価の推移)」と「2015年の地上波テレビCM価格推移予測」についての分析を行いました。
分析結果は下記の通りです。
1)
2014年(1~12月)は対前年で約4%のインフレ
- 1~3月は、消費税増税前駆け込み需要の影響でインフレーション
- 4月以降も、上記反動を殆ど受けず、「アベノミクス」による景気回復期待感にてインフレが継続、
- 但し2014年末にはインフレ収束感あり
2)
2015年は、対2014年100%程度、2014年とほぼ同水準になるがややプラス
(最大+2%)の可能性ありと予測
*
ただし、国内景気の動向には原油価格等不安定要因が多いため、四半期ごとに見直す
必要があると考えている。
詳細は下記をご覧下さい。
【1】テレビCM最新市場概況(SPIIndex=テレビスポットCM市場平均価格ベンチマーク、の推移):
…2014年は、対2013年で約4%程のインフレーション
- 2007年に発生したリーマンショックによる経済ダメージの影響により、2008年頭からデフレーションが発生し、2010年初頭まで値下がりトレンドであった。
- 2010年初頭に値下がり傾向が底を尽き、景気回復と足並みを揃える形でインフレーションに転じ、途中東日本大震災の影響を受けたものの2012年半ばまでインフレ継続となった。
- 2012年半ば~2013年半ばは市況安定化していたが、2014年3月の消費税増税が決定するとその“駆け込み需要”の影響で再度急激なインフレ発生、その後も「アベノミクス」による景気回復期待感にてインフレが継続
- 但し、2014年末にはインフレ収束感あり
■下記図:SPIIndex=テレビスポットCMマーケット平均単価、の推移
【2】2015年の地上波テレビCM価格推移予測
- 現在のインフレがストップし、ほぼ2014年同水準となる見込み(最大+2%の可能性あり)
- 2015年前半は、2014年前半の急激なインフレに対し反動が発生し、やや値下がる可能性も
- ただし、国内景気の動向には原油価格等不安定要因が多いため、四半期ごとに見直す必要があると考えている。
●中期SPIIndex傾向値予測分析、概念&手法
・SPIでは、SPIIndexと東証株価指数(以下 TOPIX)とは、TOPIX9ヶ月先行値において、強い相関があると分析している(図参照)。これは、TOPIXに代表される企業の景況が将来の広告予算に影響を与え、その需給のバランスがSPIIndexに反映されていると考えることができる。
*SPIIndexは季節性を除去した傾向値を、TOPIXはノイズを統計モデルにより除去した前年同月比の傾向値を、それぞれ用いている。
◆下記図:SPIIndexとTOPIXとの関係(2007年1月~2014年12月)
●中期SPIIndex傾向値予測分析:2015年の地上波テレビCM価格推移予測
・前項の「SPIIndexとTOPIXとの相関性」をベースとし、2015年10月までの中期予測分析を実施、結果は下図の通り。
◆下記図:中期SPIIndex傾向値予測分析結果、2015年2月時点
*テレビスポットCMマーケット平均単価ベンチマーク、「SPIIndex」とは
■SPIIndexの定義(算出方法)
- 1st step=SPIIndex-basecost
- 「各局のスポット総売上(月別)」を「各局の全広告主のスポット総GRP(月別、15秒換算)」で割ったもので、
全広告主平均のスポット世帯GRP平均コストである。関東・関西・中京の民放合計15局別、月別に存在する。
→ SPIIndex-basecost=各局のスポットの総売上÷各局のスポットの総GRP
- 2nd step=SPIIndex-basecost×”SPI-adjustmentINDEX”
- 「全平均」に“各広告主の発注条件を加味”する為、“SPI- adjustmentINDEX”での補正を実施
- “SPI-adjustmentINDEX”=SPIの過去1995年以来100社1,000ケース以上のSPI-datapoolから算出
→ SPIIndex(各広告主の出稿条件に合わせた、テレビスポットCM市場平均価格ベンチマーク)
文責:渡辺あゆみ(PR主任)&小久江士郎(シニアコンサルタント)