SPI NEWS
いつも「エスピーアイニュース」をお読み頂きまして誠にありがとうございます。
企業のマーケティング・広告宣伝活動における費用/価格/投資対効果についての、測定/ベンチマーキング/透明化/最適化、を使命とする株式会社エスピーアイは、独自に保有する「SCS(エスピーアイ・コンシューマー・サーベイ)」を活用し、日本における最新のメディアハビット分析を行い、その結果の一部を公表しています。
*SCSについては、2018年4月号「エスピーアイ独自消費者調査データベース“SCS”による日本におけるメディアハビット分析:第一弾「最新のメディア媒体別接触状況」」、にて概要説明がありますので御参照下さい。
http://www.spi-consultants.com/ja/spi_index/201804.html
今回は第四弾として、「web/digital-mediaにおける行動分析、アプリ・アクセスジャンルとサイト」結果を公表します。
なお、インターネットに殆ど接触しない回答者を除いた数値を分母とし、①絶対値、②affinity(各ターゲットの注目度÷調査対象全体の注目度、つまり“各ターゲットだからこその活用アイテム=ターゲットと親和性の高いアイテム”)、の2軸で分析を実施しています。
地図/ナビゲーション、カメラ/写真、天気、がトップ3です。
そもそも携帯スマホ活用率の高いteen・F1が全体的に非常に高いaffinityスコアです。
目立つ内容としては、
ニュースはM3、ビジネス仕事効率化・ファイナンスはM2、が1位。
料理(レシピ)はF2、リファレンス辞書辞典はM3、が2位。
教育/学習はteenに次ぐ2位がM1で、F1を上回っており、意識の高いM1の学習意欲が窺えます。
まずは“「PC・携帯スマホ」の2デバイスの平均値”での分析です、検索エンジンがトップ、天気が2位、となり、ニュースや地図よりも天気が高いという事が解ります。
次に、PC・携帯スマホを別々に分析、「vsPC」は携帯スマホのスコア対PCのスコア、です。
PCは検索エンジン・天気・ニュースがトップ3、携帯スマホは天気・検索エンジン・地図がトップ3、となります。
「vsPC」では、「ゲーム・SNS・出会い系」はPCより携帯スマホからの利用率が高くなっていました。
ターゲット別でジャンルが大きく異なる結果です。
目立つ部分は、
Teenは、ゲーム・音楽・動画配信サービス・学校教育関連、でダントツトップ。
SNSは、teen・F1がほぼ同率トップ、次いでM1。
スポーツニュース・テクノロジー電子機器・オークション・車・ギャンブル・仕事・個人向け銀行金融・価格比較、はM2・M3がトップ2。
ファッションスタイル・ライフスタイル・家庭子育て関連、はF1・F2がトップ2です。
全体では、Yahooが1位を死守、Youtubeが2位となり「最強の動画サイト」としての存在感を発揮、Googleと楽天が同率3位、AmazonとLineが同率5位、です。
日本はYahooがGoogleより強いマーケットとして有名ですが改めて数値でも裏付けられる結果です、なおLineがAmazonと同率でFacebook・twitterを大きく上回っており改めてその強力な浸透ぶりが現れています。
サイト数が多いので、Facefook以右のSNS・メールサービス・動画サイトを切り離してグラフ化しています。
*Teen
絶対値において、Youtubeが1位・LINEが2位・twitterが3位・Googleが4位・Yahooは5位でGoogleに負けている、という結果は、teenへのマーケティングコミュニケーション&メディアプランを考える上で極めて重要な部分です。
Affinityは、Apple iTunes store・Tumblr・twitterが僅差トップ3、でした。
*M20-34
メディアプランが極めて難しいとされるM20-34では、絶対値では、Youtubeが1位・Yahooが2位・GoogleとLINEが3位タイ・ニコニコ動画が5位。
Affinityは、DMMがトップ・ニコニコ動画が2位、コア&尖った特徴がハッキリしています。
*M35-49
絶対値では、Youtubeが1位・Yahooが2位・楽天とGoogleが3位タイ・Amazonが5位。
Affinityは、access%の低いサイトが多く出ており、特徴や好みが人により大きく分かれるという事が理由と考えられます。
*M50+
絶対値では、Yahooが1位・楽天が2位、王道Yahooとショッピング活用の楽天、という所でしょうか。
Affinityは、日経電子版・日経BPnetがトップ2、アクセスジャンルで「テクノロジー&金融系」が高いので当該情報を含む定番情報サイトが上位に出ていると考えられます。
*F20-34
絶対値では、LINEが1位・Youtubeが2位・Yahooが3位、今ドキ女子はLINEが大好きです(絶対値において、teenには劣るものの、M20-34の47%を大きく上回る60%です)。またLINEはteenだけで無くF1にとってもメールや電話に代わるツールになってきているとも言えます。
Affinityは、@cosmeが堂々1位・ZOZOTOWNが2位・Instagramが3位、コスメ・ファッションの情報収集はF1層にとって重大な日々の関心事であり、Instagramはハッシュタグを使ってコスメやファッション・グルメなどの情報収集ツールとして重宝されている側面もあります。
*F35-49
絶対値では、Yahooが1位・楽天が2位・Youtubeが3位。
Affinityは、ベネッセウィメンズパークが1位・@cosmeが2位・日経ウーマンオンラインが3位、F20-34と比較すると価値観ライフスタイルの大きな違いが見て取れます。
*F50+
絶対値では、Yahooが1位・楽天が2位・Youtubeが3位、F35-49と同結果です。
Affinityは、ぐるなびが1位・OCNが2位・エクスペディアが3位、しかし全体的にaffinityが低く以前分析の通りそもそもF50+はweb/digital-mediaを他性年齢層程活用していないという状況です。
本来は、「サイコグラフィックや価値観」も設定したターゲットに対し分析を行いますが、今回は基礎情報としてsample全体=個人全体と基礎性年齢区切りで分析しました。
このように、単純に性年齢別に区切っても、絶対値としての接触量・affinity共に大きな差異が出てきます。Web/digital-mediaでのコミュニケーション・広告出稿を丁寧にプランするにはこのような情報をベースに実施する事が欠かせません。
web/digital-mediaの広告出稿は“「programmatic-buying」により「出稿サイトを指定特定せず、impression数&単価」でガサッと購入し各所で露出”が増えていますが、これでは「本当にターゲットにリーチしているのか?親和性の高いコンテンツ内で露出しているのか?」といった事が全く解りません。
そもそもweb/digital-mediaのターゲティング精度は不完全で、impressionを追うと「リーチが伸びない」事も多々あります。「同画面に、同じ広告が複数表示され、スクロールで下画面に行ってもまた同じ広告がある」という状況は多くのマーケターも体験していると思いますが、その対策がしっかり取られているとは考えられず、それは“表面上の数値だけ見て、プランニング&バイイング管理を疎かにしている”代表例と言えます。
そういった状況を回避する為にも、広告主が自分自身の手でこのような情報をベースにプランニングし(詳細は広告代理店が行うであろうが、方向性は広告主も見ていくべき)、それを基に適切な媒体購入(media-buying)を実施し、結果を自身主導でチェックしつつ、定期的な専門的第三者の評価監査(media-audit等)を受ける、という事が、適切なweb/digital-media運用には欠かせないと言えるでしょう。
詳細に御興味のある方はお問い合わせ下さい。
文責:大山紀子(広報担当/アシスタントアナリスト)、渡辺あゆみ(シニアアナリスト)、小久江士郎(シニアコンサルタント)
より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。