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TVCMマーケット最新概況:2013年前半振り返りと、今後の中期予測

企業のマーケティング活動におけるROIの最大化を使命とする株式会社エスピーアイは、保有する「SPIIndex(TVスポットCMマーケット平均単価)」を基に、TVCMマーケット最新概況についての分析を行いました。
結果としては、

  1. マーケット平均スポットCM単価は、2013年前半(1~6月)は前年同時期とほぼ同レベル
  2. 2013年後半は「対前年同レベル、もしくは若干のインフレ」、2014年に入りインフレ幅が上昇する可能性が高い

となります。
また内訳としては、購買価格・質ともに、企業間での格差が拡大しつつある、という状況も見受けられます。
詳細分析結果は下記をご覧下さい。

1.TVCMマーケット最新概況:2013年前半振り返り

…マーケット平均スポットCM単価は、対前年同時期とほぼ同レベル、但し内訳を見ると企業間での差が開きつつある

昨年末の新政権発足と“アベノミクス”による経済効果が叫ばれた中、その具体的効果の不透明さや円相場の乱高下もありTVCMマーケットの動きは慎重で、前年同レベルのマーケット平均スポットCM単価に落ち着きました。
なお各広告主別に動向を分析すると、価格を抑えているか削減を達成した広告主と、値上がりを被っている企業という二つのグループに分けられます。

■下記図:SPIIndex-basecost=TVスポットCMマーケット平均単価、の推移
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しかしながら注目すべきなのは、価格を抑えているか否かにかかわらず、所謂“TVCMの質(放映後の視聴率/アクチュアル等)”と呼ばれる部分については、
*手当をしている企業は維持/向上しているのに対し、
*手当ができていない企業ではかなり悪化傾向にある、
という状況が以前よりも明確になってきている、という事です。
TV視聴率減少の中マーケットと価格はインフレ、という現状を鑑みると、厳しく正しく管理/分析/外部モニタリングしている企業とそうでない企業の差が拡大するのは、当然の事だとも言えるでしょう。

2.TVCMマーケット最新概況:マーケット平均スポットCM単価、今後の中期予測

…2013年後半は「対前年同レベル、もしくは若干のインフレ」で推移する模様
…2014年に入りインフレ幅が上昇する可能性が高い
…企業間の差は、購買価格・質(放映後の視聴率/アクチュアル等)の両面において、更に拡大していく見通し

“アベノミクス”による経済効果の実態が見えてきて、円相場も安定し、各広告主も2013年度(4-3月)広告予算を増やしつつあります。また今年に入り、新興企業(特にゲーム関連会社)による出稿も目立ち、一層の活況化が予測されます。
実態としては、リーマンショック以降多くの広告主が前半は予算執行を抑え、年度後半に広告投資を増やす傾向にあり、2014年序盤はかなりの活況が予想されます。
また、もし消費税増税が決定すると、駆け込み需要を狙った出稿も追い打ちをかける可能性が高く、2014年は各広告主にとって、一層「購買単価」「質(放映後の視聴率/アクチュアル等)」が難しくなるのではないでしょうか。

◎分析手法詳細は下記をご覧下さい。
http://www.spi-consultants.com/ja/spi_index/004701.html

■下記図:SPIIndex中期予測分析
(TOPIXとの高い関連性を使用し、2014年中盤までを予測した)
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TV視聴率減少&購買価格上昇が継続している中、今後は、TVCM購買効率だけでなく、
TVCMフライトパターンや投下量の最適化、
メディアミックスを含めた広告キャンペーンプランニングの最適化、
等を、いかに数値的根拠を基に科学的に分析し、推し進めて行くかがポイントになってくるでしょう。

いかがでしたでしょうか?
次回は、日本の広告マーケット全体の今後の動向予測、をレポートする予定です。

文責:渡辺あゆみ(PR主任)&小久江士郎(シニアコンサルタント)

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。

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